AT小野の考えるAT

AT(アスレティックトレーナー)は、国内資格として「日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO−AT)」と「米国アスレティックトレーナー資格認定委員会公認アスレティックトレーナー認(BOC -ATC)」の2種類があります。

BOC -ATCは、米国にて準医療資格かつ国家資格として社会的認知及び、信用を得られている資格となっています。その職域は幅広く、プロ・大学スポーツ、学校、企業、病院、クリニック、軍など、その資格を持つことで豊富な仕事があるもの特徴です。

しかし、日本国内では米国基準と異なることから、BOC -ATCを持っているからとて、医療類似行為(マッサージや物理療法機具の使用など)を許可されているわけではないのがあります。(個人的には、BOC -ATCこそ早くに国家資格として認めたら良いのにと思います)

一方で、JSPO−ATはというと、JSPOの数あるライセンスの中でも「メディカルコンディショニング資格」としての立ち位置であり、あくまでも「コーチング」ライセンスです。

トレーナーなのに、コーチ?ややこしいな。

なんていう人もいそうですが、

ウェイトトレーニング、またはストレングストレーニング、スプリント・ジャンプ・アジリティトレーニングなど、主に体力向上を目的とした『ストレングス&コンディショニングコーチ(S&Cコーチ)』というトレーナーも存在します。

コーチ(coach)の語源は「馬車」で、 ”大切な人をその人が望むところへ送り届ける” ことから来ているとも言われています。

そうなるとトレーニング指導するトレーナーはある意味コーチで納得ですよね。

主に体力向上を目的としたコンディショニング、トレーニング指導の専門家がS&Cなのであれば、

「ケガや疾病からの復帰、またはそれらの予防指導」の専門家がいても良いと思うのです。

ケガからの復帰、いわゆるリハビリを、現在は「リコンディショニング」なんて言います。

このリコンディショニングには、メディカル感が発生してくるので、S&Cとの大きな違いと言えそうです。

僕は、ATはこの「メディカルコンディショニングコーチ」という考えのもと活動しています。

JSPOの求めるATとは、実際にそうだと思っているからです。

ですが、スポーツ現場を見ていると、JSPOが目指すATというよりは、柔道整復師や理学療法士、鍼灸師、按摩指圧マッサージ師などの、施術をメインとするセラピスト(施術家)トレーナーが多く、学生ATが目指す理想像も、大体がそのように思います。

僕的には、セラピスト的なATになりたいならBOC -ATC取得するか、または国家資格として何らかの免許取得することをした方がいいんだろうなとは思いますが、そうなると、JSPOAT取る意味ないんじゃないの?とまで考える事があります。(自分が柔道整復師ではあるものの・・)

そう考えてしまうのは、僕個人の勝手な見解ですが、セラピストATというのは、JSPO-ATの望む姿ではないと考えるからです。

僕が汲み取ったJSPOの想いは、あくまでも「コーチ(指導者)」であれ、ということ。

ATとして、何を指導者である必要があるのか?

僕は、「予防」だなと考えました。

その予防にも大きく3つあります。

__________

  ①悪化の予防

  ②再発の予防

  ③発生の予防

__________

①はケガや疾病発生直後の応急処置がそれにあたります。

②はケガや疾病を繰り返させないように行う、リハビリ、テーピング、ストレッチなど

③は、ケガや疾病そのものを防ぐという究極の予防です。

そして、その③にある究極の予防達成に必要なことは、『何か起きる前の教育活動』だと思うのです。

起こるとわかっていることは防げますが、「わからない、知らない」ことは防げませんよね。

知らないんですから。

逆に、知っていたらどうですか?

全てではないにせよ、一定数防ぐことはできるのではないでしょうか?

予防に必要な第一ステップとは、「知ること」なんです。

そして、知らない人はいつまでも知りませんし、知るきっかけもなかなかありません。

もし、その大切なことに気づくきっかけとしたら、「既に何か起きてしまった後」が多い。

失ってから気づく大切なこと、みたいな話、よくありますね。

ここで注意したいのは「よくある」ことなんです。

つまり、既に過去にその体験・経験している人がいるんですよ。

不慮の事故も、歴史的には既に体験・経験されていて、知見として記録に残っているもの、研究されてきているもの、様々あります。

予防のために最も必要なことは、「過去の事例及び知見」です。

これがあればあるほど、未然にシミュレーション可能ですし、その対策をうつことも可能です。

「知っている」のですから。

このように考えると、一見ケガや疾病の「発生予防は困難」と言われがちなことでさえも、未知のウイルスとかでない限りは理論上、予防可能と思いませんか?

僕はそこに目をつけていて、過去の事例から学ぶことを大切にしています。

その過去から得た知見をもとに、大切な予防について「人々をより良い健康的なカラダへ導く」というメディカルコンディショニングコーチこそ、僕が考えるATであり、勝手ながら、JSPOの理想像とはそこにあるのではないかなと思っています。

別に、JSPOとの癒着も何にもないんですが、自分が取った資格で、所属している組織の真の狙いみたいなのを受け継いでいきたいなって思っています。

JSPOATの理想とするATって、多分まだいないと思うので。(いたらいたで良し!)

僕はその理想のATというやつになりたい、いや、なると決めて活動しています。

で、それは何か得することでもあるの?って話は聞かないでください。

だって、

「何にもねぇ!」

からです。笑

でも、僕は自分がATを目指した時から、自分の中にはこんなトレーナーがいたら良いなっていう姿がありました。

その自分の理想像と、JSPOが言わんとしている理想のAT像は、ピッタリと当てはまる気がしてならないので、僕がそのATになってやると考えている、というなんて自己愛の強いやつなんだっていう話ですね。

周りの人たちがどんなATを目指そうと勝手なように、僕自身がどんなATを目指すかも自由です。

自分が理想とする姿を目指す。ただそれだけです。

誰かを喜ばせたいとかっていうよりも、

自分自身を喜ばせたいのだと思います。

そして、それが結果的に誰かにとっての喜びにつながっていたら本望ですね。(簡単なことではないですが・・)

僕はATを、勝手に「予防の専門家」って名乗って配信していたりしますが、何度も何度も言葉にしていくことで、自分以外の方も同様な表現、言葉を使う人が出現中です。

少なくとも僕が学生中にはそんなこと言っている人はどこにもいなかったし、若い学生からもそんな言葉を聞かなかったです。

ところが、自分が発信していく中で、若い人たちからもその言葉が少しずつ出てきました。

多分YouTube「ATちゃんねる(旧アスレティックトレーナーO)」のOさんの口癖がそうさせたのでしょう。

言葉って、言い続けていくと伝播していくものです。

僕が理想とするAT像はもう僕だけのものじゃない気がします。

僕1人が理想のATになるだけじゃ、助けられる人は限りなく少ないから、

理想のATってたくさんいた方がいいと思うんですよね。

僕は分身できないけど、想いを共有することは可能だから、これからも発信を通して、同様な想いの予防の専門家集団を作りたいですね。

この先、果たしてそんな集団ができるのかどうか?

どうなるのかはお楽しみに。

一番楽しみにしているのは、他の誰でもない、僕自身です。

未来が楽しみです。

こんな長文を最後までお読みいただきありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします。

アスレティックトレーナー(A T)小野勇太

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